【研究会の狙い】
現在、我が国の経営環境は、長引く不況・デフレ経済から脱却できず、雇用環境は悪化、人々の所得は減少し、社会全体が閉塞感で覆われて活気が失われています。
商業(流通・小売り・サービス企業)においても、少子高齢化・人口減少社会の到来を目前にして、オーバーストア、激しい店舗間価格競争、人々の消費の成熟と志向の多様性、購買行動の変化など、大きな転換期にあります。
もはや、これまでの延長線での商売では成り立たず、本会が主張する
「購買代理」の視点に立った付加価値の創造が求められています。
そこで、今回、新たなビジネスモデルを創出していくための研究会を、本会協力コンサルタントである小松崎雅晴氏を中心に立ち上げたいと現在、企画準備中です。
単なる
机上での勉強会、交流会ではありません。自社に持ち帰って
実証実験して、
新たなビジネスモデルとマーケットを創出することを目的とします。
業種、業態は特に限定しません。幅広い知識、技術、アイデアなど従来の業界常識にとらわれずに新しいビジネスが創出され、具現化することを目指したいと思います。
我が国の商業活性化を担っていく、との高い志で
“知恵”と
“行動”できる経営者の方々を広く募集します。
2012年2月
社団法人 公開経営指導協会
理事長 岩城 建雄
【ご参加対象者】
本研究会は、
「実証研究の場」として位置付けますので、流通・小売り・サービス企業等の
経営者、または
経営者に準じる方を対象とさせていただきます。
ご参加にあたっては、公開経営指導協会へのご入会(年間会費2万5千円~6万円:従業員数区分による)を条件とさせていただきます。
本研究会の開催頻度や参加費用等は、企画段階につき未定です。先ずは、志を持ったお仲間を募ることからスタートさせたいと思います。
【お問い合わせ:事務局】
社団法人 公開経営指導協会 内
(仮称)新たなリテイル・ビジネスモデル創造研究会
【研究会の趣旨】
― 国勢調査速報値によると、我が国の人口は2010年12,805万人。2035年には約1,700万人減少して11,067万人、2055年にはさらに約2,100万人減少して8,993万人になると推計されている(日本の統計2011年)。1,700万人は、沖縄を除く九州7県と四国4県を合わせた人口、2,100万人は北海道と東北6県に岡山を除く山陰山陽4県を合わせた人口にそれぞれ相当する。
我が国の人口は、今後40年強の間に人口の約3割、3,800万人が減少し、1955年(9,007万人)の水準を下回るまでになる。約50年かけて9,000万人から12,800万人まで増え、その後また50年かけて元に戻る計算である。
大きく異なるのは、当時の65歳以上人口率が5.3%であるのに対し、2055年には40.5%、平均年齢も1970年31.5歳、2000年41.3歳が、2030年51.2歳、2070年には57.0歳にまで限りなく高齢化していくとされていることである(国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口2006年12月推計)。―最新の推計人口(2012年1月)は、http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/newest04/gh2401.pdf 参照
いずれも空想やSFの世界の話ではなく、我々の子、孫の世代が確実に直面すると考えられる、統計に裏付けされた日本の近未来の姿である。
これが映画の世界であれば、未来からヒーローがタイムマシンに乗ってやってきて歴史を変えていくのだろうが、現実の世界では我々自身が歴史を変える必要がある。
*
現在、世帯主が60歳以上の世帯の7割弱は無職世帯であり、その多くは収入を社会保険に依存している。生活保護受給者が206万人超と過去最多を更新したこともあり、「日本には毎月13万円を手にする生活保護の受給者と彼らに選ばれた政治家の二種類の日本人しかいなくなる心配がある(邱永漢氏)」というような指摘すらある。
人口が減少し、世帯収入が限られれば、あらゆるマーケットは確実に縮小する。企業が成長するマーケットを求めて海外に移転すれば、国内は“抜け殻”のようになる。「負のスパイラル」は大きく加速するだろう。
現在、多くの企業が、このような状況にどう対処してよいか分からずに躊躇している。
しかし、冷静に時間の流れを読み解けば、既に何十年も前から人口減少は予測されていたし、急激な高齢化、少子化も予測されていた。現在のような状況が既に20年以上前、バブルの絶頂期には始まっていたことも容易に理解できる。
重要なことは、
売れないからと言って、ただ物を安く売ったり、ローコストと言って経費を極限まで削減したりすることが、抜本的な解決には繋がらないということである。
かつて、異常なまでのローコスト・オペレーションに取り組んだ企業の経営者が「効率の向こうに効率は無かった」と言っていたように、本質を見極めずに方法論だけが一人歩きすれば、何事も上手くいかないことは多くの事例が物語っており、経験的にも分かっている。
相変わらず、低価格とローコストにしか答えを見出そうとしないことは、大きなエネルギーと時間のムダとしか思えない。
図表に示すように、人口動態から始まる様々な問題(ここでは小売をベースにおいているため、税制や為替は除外している)は連鎖し、複雑な構造となっているが、対処する方向、方法はある程度限られている。
現在のような状況下では、選択肢は大きく三つに絞られる。
一つは、
従来のビジネスモデルのままで規模を追求し、コスト競争力、販売力を武器に成長するマーケットを求めてグローバル化(特にアジア圏)を図ることである。既に大手は皆このように動いているが、その対象とするアジア圏も中国、台湾、ベトナムなど日本以上に急激な高齢化が指摘されているから、限定的な対応策と言わざるを得ない(もっとも次は少子化、高齢化に対処するビジネスがあるという考え方もある)。
二つ目は、単に規模を追求するのではなく、
特徴的な技術、特徴的なビジネスモデルを武器にグローバル化を図ることである。既に中小企業も様々な支援を得て海外進出を始めているが、その多くは為替差損解消、成長するマーケットが目的であり、本質的に大手企業と変わることはない。
三つ目は、
第6次産業(第一次産業×第二次産業×第三次産業)のような複合化した新たなビジネスモデルによって、新たなマーケットを創出することである。
私もいくつかの提案を行っているが、これが実現すれば、単に国内だけではなく、そのビジネスモデルにより海外でも新たなマーケットを創出することが可能になる。
競争のないブルーオーシャンの事例として採りあげられることの多い「QB HOUSE」のように、
商品やサービスの意味が変わることで新たなマーケットは創出される。何もこれまでに無いような全く新しい商品、サービスを創り出そうということではない。
従来あるものの意味が変わることが重要であり、それによって新しいマーケットが生まれ、事業が活性化し、雇用が生まれることが重要である。
そのような知恵が必要になっている。国内市場を活性化し、さらに世界にまで広げることができるような新たなビジネスモデル、マーケットを創出するような知恵である。
*
我々は、これまで大きく成長し、なおかつ現在のような難しい時代も経験している。様々な知恵も経験も持ち合わせているはずである。
次世代に20世紀の残骸を押し付けるのか、それとも
新たな時代に結実できるような種を残すのか、いま我々が時代に問われている、と言ってもよいだろう。
新たな活動、単に机上の勉強会ではなく、具体的に現実を動かすような活動が必要である。
興味を持ち、自ら汗を流し、神輿を担ぐ意思のある人を募集したい。
(仮称)新たなリテイル・ビジネスモデル創造研究会
発起人 小松崎 雅晴
(㈱エム・ビィ・アイ 代表)